【クリアレビュー】Sword of the Sea

レビュー

8月20日に発売されたSword of the Seaを4時間プレイしたのでレビューします。

1. 私のプレイ状況

項目内容
進捗ストーリークリア済み
プレイ時間(クリアまでの時間)4時間(2.5時間)

2. どんなゲーム?

『Sword of the Sea』は、アート性の高いアドベンチャーゲームとして2025年8月20日に登場した作品で、開発は『風ノ旅ビト』や『ABZÛ』で知られるGiant Squidが手がけています。プレイヤーは「レイス」と呼ばれる存在となり、砂に覆われた世界を滑走しながら失われた海を取り戻す旅に出ます。移動の中心となるのは「ホバーソード」と呼ばれる不思議な装備で、スケートボードやスノーボード、ホバーボードの要素を融合したような感覚で操作できます。砂の大地を流れるように駆け抜け、スピンやフリップといったトリックを決める動作は爽快感にあふれ、まるで滑走そのものが詩的な体験の一部になっているのが特徴です。
探索の中では環境そのものを再生する仕掛けも用意されています。灯籠に火を灯したり、砂に埋もれた遺跡の仕掛けを解放することで、荒涼とした地形がエメラルドグリーンの海へと変貌し、水棲生物たちが群れを成して現れます。これよって新しいエリアや移動手段が解放されます。

ビジュアルや音楽の表現は非常に洗練されており、セリフやテキストに頼らずとも、世界観と感情を伝える演出が光ります。アートディレクションは『風ノ旅ビト』を手がけたMatt Nava氏、音楽はAustin Wintory氏が担当しており、映像美と音響の調和が体験をより一層引き立てています。ゲームのプレイ時間は2〜4時間程度と比較的短いものの、世界を繰り返し訪れてトリックを極めたり、探索を堪能することでリプレイ性もあります。

3. プレイした感想

まずはストーリーについて、キャラクターのセリフは無く、テキストも過去に何があったのか。そういった世界観を表現するために、用いられるだけです。ただし、プレイヤーは言葉に頼ることなく、環境の変化や音楽の響き、そしてキャラクターの動きから物語を自然に読み取れます。まるで自分自身が世界の一部となって体験しているかのような感覚があり、説明を受けるよりもむしろ深く心に残ります。

次はゲーム性についてですが、ゲームプレイの中心となるのは「ホバーソード」による滑走で、まるでスケートボードやスノーボードのように砂の大地を自由に駆け抜けられます。スピードに乗って丘を飛び越えたり、空中でスピンやフリップといったトリックを決めたりする動作はとても爽快で、ただ移動しているだけでも心地よさを感じられるほどです。単なる移動手段に留まらず、地形を活かしたアクションそのものが遊びの核になっているのが特徴だと思います。
さらに、探索の中で仕掛けを解き、荒涼とした大地を海へと変えていく過程は達成感があり、プレイヤーの行動が世界に直接影響を与えていることを実感させてくれます。敵との直接的な戦闘はほとんどありませんが、巨大な存在との遭遇や流れるような演出がゲーム体験に緊張感をもたらし、最後まで飽きさせない工夫が感じられます。

最後にボリュームについてです。前述した通りストーリーは2〜4時間程度クリアできます。正直がっかりです。「ホバーソード」を用いたトリックはゲーム内通貨を用いて取得していく形式です。取得できる順番は決まっており、1つ覚えるたびに必要になる通貨が増えていきます。恐らく、周回プレイを前提になっており、全てのトリックを取得するには2、3周が必要になると思います。次にどんなトリックを取得できるのは不明なためワクワク感はあります。

総感して、ストーリーやゲーム性は満足できますが、ボリュームに関しては物足りないです…アクション性も高くは無いです。全体通してテキストが少ないので、考察が好きな方やアート性の高いゲームが好きな方にはおすすめできますが、アクションゲーム好きやボリュームを求める方は、セールがくるまで購入は見送ったほうが良いと思います。

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